20200224 即GIG at urbanguildが大成功でした

最高のパーティーってたくさんあった。

僕はそれを経験してきて今に至る。(それは例えばEXTREMEDIVES.msbr.evilmoisture.torikudo.spacegrinder.kyota.piumosso at more music&caesar/アートで田んぼ.ライブアース松山、otonotaniなどが僕にとって初期の重要なパーティー経験だった。)

自分でもたまに企画をするけれど、それはほんとにたまにだし、コンスタントにレギュラーイベントやってる人たちをとてもリスペクトしてる。でも僕は時間が本当に無いから行きたいパーティーも逃しまくっていて、それはとても悔しい気持ちでいっぱいだ。でも村屋で店をやる経験と言うのは毎日パーティーとDJをしているようなものなのでその経験のおかげで今回の即GIGは成功したと思う。昨日来てくれた人51人の人々、Meeping&Tres Peligrosos、くつした、井上さんと大ちゃん、ハギーさん、やすよさん、佐藤さん、キッチン、バーカンの方々みんなに感謝の気持ちが溢れている。みんなで力を合わせて神輿を担ぐとか、チームでスポーツをするとか、即GIGはそれとは近いようで意図が全く違うパーティー。みんなが普段かじっているその才能の種を持ち寄って植えてみようという試みである。焚火に人が自然と集まるように、音楽は人が自然と集まる理由になる。その時色んな人々が同じ空間にいて、なるべく我慢せず、なるべく恐怖を感じずに楽しめることがまず何より大事なのであって、それは少しの工夫と手間でだいぶ何とかなる物なのだと吉田寮で培われた自治のメソッドに教えてもらった。あとアドベンチャータイム。

 

いい音楽が鳴っている瞬間は、今この瞬間に世界中に星の数ほど存在するだろう。でも、その現場に居る人間があらゆる懸念に対して我慢せず、恐怖せず、素直に感動出来ている瞬間はとても少ないのでは無いだろうかといつも思ってきた。

 

政党やチームのことをパーティーと呼んだりするけれど、僕の言っているパーティーとは開かれたものでワークショップの様なニュアンスを持たせている。平和な未来を作るためのワークショップ。他者を傷つけないための想像力が自分を守る事にも繋がっていることを体験によって広めていきたい。

 

(ぼくは昔から頻繁に夢で戦争に行かされている。友達も自分も何度も殺され続けている。それは現実だし、ぼくが歌を歌うためのガソリンになっている。)

 

例えば日本で開催されるイベントに英語の訳がないこと、とても悲しい。みんなにきて欲しいと思っていないのかなと思う。

僕は外国語全然分からないし、貧困に追われて勉強する暇さえ無い。でも仕事するために生きてるわけじゃ無い。告知に関して言えば翻訳アプリ使えばなんて事ないし、実際MeepingのRachelとのメールのやり取りも翻訳アプリが大活躍してくれた。会話はやっぱり難しかったけど(緊張すると簡単な英語さえ咄嗟に出てこなくなる)、僕が言葉を捻り出して悩んでる時間も待ってくれたし、ゆっくり話してくれた。伝えたい事があるから日本まで来てくれたわけだしね。そして一緒に踊れて最高だった。彼らのライブでは涙が止まらなかった。連日のハードスケジュールで疲れているにも関わらず、そこには僕が大好きになったばかりの、時代を超えてやってきた様な音楽を鳴らすバンドがいた。本当にありがとう。

 

言葉を超えるのは簡単な時代になった。デカイ英和辞典和英辞典、その他韓国語や中国語辞典など持ち歩かなくて済むんだから。理解を深めたいのは言語の壁のその先にあるものだ。

 

僕は音楽好きになってからずっと時代と国を超えて色んな音楽を聴いてきたけれど、ほとんど外国の音楽だった。日本はやっぱり借り物で文化が出来上がっている国だし、日本人に聞いたって、オリジナルの文化というと寿司侍忍者とか言うと思う。KIMONOとか。

僕の着てる服だって全部外国製だし、仕方ない事だと思う。今の現実が全てなんだから。

戦争や銃撃が無くなるための過程なんだし、反応に反応を重ねて想像力の速度を上げていくしかないとも思う。文化盗用についてどう思う?

オリジナルなんてすでに存在しない。でも、文化を借りるなら、そこにリスペクトが必要だし、文化と向き合う姿勢は常に真剣でありたい。流行りが廃るからスタイルを変え続けることは雑な消費をしているだけだ。そのスタイルに未来のグレタは(多分)キレてる。

 

僕の創作もゴミのカルチャーから始まった。

リサイクルショップで拾ったゴミを着て、リサイクルショップで拾ったゴミを読み、リサイクルショップで拾ったゴミを聴いて、リサイクルショップで拾ったゴミを使って録音して、インターネット上でも同じことを繰り返してきた。

そうやって、やっと表現が形になって来た気がする。もうすぐ20代も終わる。

ゴミの様に思っていたものは全て人間が作ってきたメッセージだった。時間を超えて漂流してきた手紙の様な。部屋も広くないし金も無いからそう言ったものを大切に保管することはできない代わりに、理解と考察を深め続けて平和な未来へと繋げて行きたいと思っている。

 

小学生の頃コミックボンボンで読んでいた僕のルーツとなった漫画の一つに岩本佳浩氏のロックマンXがある。これも同時代に連載していたほるまりん氏のメダロット(近未来の日本の子供達に人気のお友達ロボット、メダロットをお互いに戦わせる遊びが流行っている世界が舞台となる。メダロットはAIが組み込まれたメダルをおもちゃのロボットに入れる事により起動する。みんなそれはメダロット社が作ったおもちゃと信じて居たのだが、元々メダルはアキハバラアトム博士が遺跡で拾ったメダルを解析して複製し商品化したものであった。そういったオリジナルのメダルはレアメダルと呼ばれた。人々はレアメダルには兵器を強くする力があると考えて奪い合っていたが、実際には人間が誕生する以前に月に住む存在が地球に送り込んだ種であった。人間がメダロット(ボディ)を開発し、複製し、目覚めるタイミングになって月のマザーメダロットは地球で増えた(複製された)子供達に命令を与えた。集まり殖えつづけよと。人々は急に自分のペットのように扱っていたメダロットたちが昆虫のようになってしまい、人間に危害を加えるようになった事に困惑して避難していく。知らずにレアメダルのメダロットを所有している主人公のイッキと、彼のメダロットメタビーはみんなが避難した誰もいない街で月からのマザーメダロットと対峙して対話する。レアメダルはAIではなく意思を持った存在なので先祖であるマザーに洗脳できない。マザーは、"人間も地球で殖え続けて他の生き物を淘汰してきた。我々も同じように本能の命令に従うだけだ"と言う。イッキとメタビーは、"友達だから難しい事もあるけどなんとかやっていく"と言う。そのうち自衛隊が発射したミサイルにマザーは殺されてしまう。f:id:osamuosanai:20200227151949j:imageマザーの言った通りになってしまった事実を受け止めつつまた2人の生活が始まる。)同様に、戦いへの疑問、人に扱われる、心を持った戦闘用ロボットの人権がテーマとなっていた。Xは遺跡から発掘された心を持つレプリロイド(人型ロボット)なのだけど、開発者のライト博士の遺言には、彼は人と同じ様に心を持ち成長するので、人間はいずれ彼をコントロール出来なくなる。危険な存在であるから封印しておくと残している。

Xを発掘して彼を参考にレプリロイドを複製し、人とレプリロイドが共存する世界を作ったケイン博士は困っていた。ライト博士の言ったようにレプリロイドが人間に反乱を起こし始めたからだ。反乱分子をイレギュラーと呼び、彼等を破壊する事を目的に組織されたイレギュラーハンターとしてXは働いていた。でもXは新米ハンターで、先輩のゼロについて回る弱いハンターだった。Xの記憶が何処から始まっているのかは作中描かれていないが、なぜかXだけがレプリロイドなのに涙を流す事ができる。心を持ったレプリロイドたちは様々な理由からイレギュラーとなるのだが、彼等に共感もしつつ、何が正しいのか悩みながら任務をこなしていくXの話が描かれていく。人間は生身で弱いから守るのだ。しかし、心を持つもの同士、本当に弱いのはどっちなんだろうか。

ゼロが死ぬ名シーンの時、彼は"お前の作る懐かしい未来へ連れていってくれ"と言い遺す。

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その言葉がずっと僕に残っていて、それが、いつも、何ですか?と問いかけてくる。

レトロフューチャリズムという言葉がある。僕がこれらの漫画を読んでいた時は20年以上前だが、その子供向けSFで描かれた世界は果たしてやってくるのだろうか。当時はこれらの単行本が何処にも売っていなかったが近年新装版として再発されまくっている。それを当時の読者の僕らが大人になって買い戻している。メダロットに至ってはスマートフォンのゲームもリリースされた。現実は不思議だ。ハードばかりが受け継がれていて、漫画で描かれた哲学は何処にいってしまったのか。とても皮肉だけど、懐かしい過去を消費するための商品として生き残っているだけであり、懐かしい未来なんて永遠にいけないのでは無いかという気さえしてくる。

 

また話は即GIGに戻る。

最初bandcamp経由でMeepingのrachelからメールが来た。僕らの音楽をbandcampやYouTubeで知っていて、日本で一緒にライブがしたいと言うお誘いのメールだった。それをきっかけに僕はMeepingの音楽を初めて聴いて、深刻に取り憑かれてしまった。だから、urbanguildでパーティーを企画することにしたのだ。

 

なんと言うのか、聴いた瞬間に、これって僕の好きな音楽だと思った。ハードは無理せずポートランドの土地で自然に生まれたインディロックだし、だけど現代に生きる人間のメロディを持っている。僕はいつか何も関係なければこんな音楽がやりたかったんじゃ無いかと思い出したし、でも現代にMeepingのようなサウンドを鳴らす事は容易では無い。ぼくはそれを考え抜いて辿り着いた今のイビツな、イビツなりにハーモニーを捻り出すユリシーズのスタイルと重ね合わせた。ポートランドにはいった事ないけれど、土地とか関係ないわけじゃないけれど、音楽の見えない地層が彼等とくっ付いているような気がした。彼等も去年できたばかりのバンドで無名だし、僕らも運良く無名だった。知名度や空虚な日本の音楽シーンに掠らず、文字通り音楽が同じ空間で重ね合わさって、地震が起きたようだった。

 

貧困や戦争から急に全ての人が逃れる事は出来ないだろう。でも、一歩ずつ道を作っていく事はできる。別に肯定する態度を是とするような正義の話ではなく、もっと根本的な他者への想像力を加速させることを求めている。

 

それは例えば紹介すべき人に紹介すべき人を紹介したりする事でもあるし、或いはハグする時にハグしていいか尋ねることでもあるかもしれない(Meepingたちはハグしていいかと聞いてくれて、そんな事を聞かれるの初めてだったけど、僕からハグする事は無かっただろうし、とても親切だと感心した。of course!)。

 

まとめ

ぼくらは本能に殖え続けろと命令されている。でも、友達で居続けよう。そのためにリプライじゃなくて、会う必要があるんだ。たくさん人がいても恐れや我慢をなるべくしないで居られる空間をつくる。それは社会の縮図だし、ライヴにいった事がない人も楽しめる様にわかりやすくしよう。そのためにも適切なDJが必要だし、踊る場所とうまい飯食べるテーブルも少し必要だ。タバコの煙からの逃げ場も必要だし、清潔なトイレも必要だ。今回は必死で調達したフリーマスクとスピリタスを希釈したアルコールスプレーも持参した。念のためにカメラも持っておこう。写真はみんな好きだから。

次回のタイミングは音楽が教えてくれるね。

 

https://www.youtube.com/watch?v=YXGofRUT3m8&feature=share

 

https://www.youtube.com/watch?v=O2wZtInP51s&feature=share

 

 

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