よんじゅ君のサヨ族のアルバム聞かせてもらってテキスト書きました。

よんじゅ君のサヨ族のアルバム聞かせてもらってテキスト書きました。

https://tallgrassrecords.jimdofree.com/news/

 

 

childhood in the cloudへのテキスト

生きてるだけで苦しくない人っているんだろうか。今の体調が苦しいから苦しくない状態を想像できる。苦しくない状態はさぞかし苦しくないだろう。肉体を失った後のことは想像することを禁じられているようだ。想像するほど苦しむことになるから。

ぼくは使ったことないんだけどアクティブノイズキャンセリングという機能が今のヘッドフォンには搭載されており、外界のノイズの逆の波形のノイズを生み出し、騒音を打ち消す機能なのだけど、演奏を録音するという行為はまさにこう言ったことなのだと思う。

外側には打ち消したいノイズが満ち満ちている。それを打ち消すために他者に向けてノイズを発する。自分が社会的な存在であると信じたくなった時、理想とのギャップは摩擦音を発生させる。これは発達過程における初めて内側から発せられるノイズだろう。ぼくらは外側と内側の両側から発せられるノイズに挟まれている。全てに対してなんのために存在しているのか問い続ける時だけ神を認識する。神の暴力が一番うるさい。

ぼくは神にこう思う。「ムカつく」

戦争だって、幻聴だって、神のせいにすることができる。生きているだけで二酸化炭素を吐き続けてしまうように、工夫し続けなければ神を産み続けてしまうのが人間だ。

"Childhood In the Cloud" にはさまざまな楽器の音が収録されていて、音を聞くだけだとどんな形の楽器か形を想像することができない。全てがプラグインで作られたビートミュージックでさえ、808や404などの機体が目に浮かぶのに。何から音が発せられているか分かると安心する。食品の原材料名がわかると安心するように。このアルバムが昆虫の発生させた音を加工して構成されていると知った時、ハッとした。ぼくには黒い馬が数頭広い牧場をかけている風景が見えていたことを情報との差異をきっかけとして認識したからだった。昆虫くらいドーパミンが出たら起き上がる苦しみが和らぐだろうなと思った。今日は区役所に行って国民健康保険料の減額の交渉に行ってくる。いつまで生きられるだろうか。

 

長内納